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「楽しんでやる」ことが大事
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antsを助けてくれる「antsのなかまたち」を紹介するスタッフインタビューです。今回はantsがめちゃくちゃお世話になっている操演の有限会社ローカストの亀卦川修(きけがわおさむ)さんにお話を聞いてみました。亀卦川さんはまさに職人。華やかなCMの舞台裏を確かな技術で支えてくれていてantsのみんなは日々とてもお世話になっています。
(2025年5月6日に公開されたnote記事の再掲になります)
操演ってどんな仕事ですか?

操演の仕事というのは、SFX(特殊効果)の幅広い役割を担っている仕事です。例えば映画やドラマに爆破シーンってありますよね?それを迫力満点の映像にするために、裏で火薬量を緻密にコントロールし、爆破の大きさを調整したりするのが我々の仕事です。
他にも、例えばCM制作では、テグス(天蚕糸)を駆使して商品を思い通りに操ったり、食材や料理のシズル撮影では、その商品をいちばん美味しそうに見せるための仕掛けを施したりしています。
あとは、シャンプーのCMなどで女優さんの髪が美しくなびくカットありますよね?そこにも我々の仕事はあります。髪の毛に繊細な風を当ててなびかせていますが、この風を操る技術はかなり奥深くて、見た目以上に熟練の技が求められるんですよね。
<操演とは>
ワイヤーなどの道具を使って、モノや人形、時には人間そのものを動かす専門の技術職です。特に、CGを使わずに物理的に「ものが動く」ように見せたい場面などで活躍します。撮影現場においては火薬なども含めた特殊技術全般の総称でもあります。
操演の仕事の醍醐味はなんですか?
『この仕事の何が楽しいんだろう?』って、正直、自分でも時々考えるんですよ。でも、たくさんの現場を経験してようやく気付いたことがあります。みんなで1つの映像作品を作り上げることの達成感ももちろん最高だけど、それ以上に僕は『何かを思い通りに操る』こと自体が心底好きなんだ!と気がつきました。
思えば、例えば趣味でドローンや車を操縦している時も同様で、自分の意図した通りにモノを動かせた瞬間の快感が僕にとっては何物にも代えがたいんですね。女優さんの髪の毛を、振り返った瞬間にフワッと美しい形になびかせる風を完璧なタイミングと強さで作り出した時とか、テグスを操って商品を生きているように動かすことができた時とか、そんな瞬間が最高で、それを楽しんでいますね!(笑)

操演人生で苦悩した仕事は?
HondaさんのN BOXのCMで、『Matryosh-CAR(マトリョーシカー)』っていう企画がありました。あれは僕のキャリア史上、間違いなくナンバーワンの大変さでしたね。ロシアの伝統人形マトリョーシカをモチーフに、次から次へと車から『箱(BOX)』が出現するというCM。どういう美術で撮影するのかが決定してから、撮影本番までがなんと1週間。3日間寝ずに撮影用装置を作り続けて、それでも『これは絶対に間に合わない』と正直思いました(笑)
こういった映像作品は、最近だとCGを駆使するのが主流だと思うんですけど、この時は全編実写にこだわってやりました。だからこそ、CGでは決して表現できない、リアルな質感と迫力が画面いっぱいに溢れていると、仕上がった映像を見ると思います。大変だったけど。

亀卦川さんが思う良いCMとは?
これは難しい質問ですね。でも、僕はシンプルな映像で印象に残るCMは凄いなと思います。もちろんストーリー仕立てのCMも良いけど、白ホリの空間で、綺麗さがあって、そこに仕掛けが絡んで驚きがあったりするような非日常感は、CMならではの表現ですよね。
シズル系の映像で、キューピーさんをずっと担当させていただいているのですが『深煎りごまドレッシング』のCMで、麺と商品が迫ってくるような表現を求められた時は『これはどうしよう?』となりました。でも、ある意味ではこの映像の中では操演である自分が主役でもあるので、とても楽しくて嬉しいですね。
ants案件で印象に残っている仕事は?
北尾さんと今西さんとはantsの以前から、もうかなり長い付き合いになりますからねえ。色々な思い出もありますよ。任天堂の社長さんをワイヤーアクションで吹っ飛ばしたいなんて相談を受けたこともありましたね(笑)

最近のantsの案件で印象に残っているのは、ARAS(https://aras-jp.com/)のCMですかね。大量のお皿を空中から落とす仕掛けを作らなくてはなりませんでしたが、1度にどれくらいの面積でやるべきなのか?セッティングにかけられる時間はどのくらいなのか?予算感はどのくらいかけて良いのか?など色々考えた結果として出来上がったギミックでした。無事に撮影は完了しましたが、撮影後もこうやっていたらお皿の向きをいろいろな方向にできたんじゃないか?とか、もう少し時間差を作った方が良かったのか?とか、気がつくと振り返ったりもしちゃいますね。でもお皿が何百枚も一気に落ちる瞬間は圧巻でしたよね。
操演の仕事に興味がある若者にアドバイスを
SFXや特撮と聞くと、華やかなイメージが強いかもしれませんが、実際には現場作業の多い地味な世界でもあります。それでも、純粋な気持ちで飛び込んでいただければ、きっと楽しめると思いますよ!
最初は何も分からないと思うけど、『こんなことをやってみたい』『将来はこうなりたい』という目標を持ってとにかく現場に出る。あとは日々の練習を重ねることで、道は開けるはず。それから好奇心を絶対に忘れないこと。どんな仕事でも『楽しむこと』って大切だと思います!