CGクリエイターには「共感力」が大切

CGクリエイターには「共感力」が大切

antsを助けてくれる「antsのなかまたち」。今回はantsがCG制作の場面で非常にお世話になっているCGクリエーターのSTROBOLIGHTS(ストロボライツ)の前川和昭(まえかわかずあき)さんにお話を聞いてみました。今やCG(Computer Graphics)は多くのCMに使われています。全編フルCGの作品はもちろん、撮影が困難なものを補完するなど細かい部分やパーツとしてもたくさんのCMの中でCGは活躍しています。そんな時にantsがいちばん最初に頼るのが前川さんです。

福岡県出身の前川さんは、学生時代は、高等専門学校(高専)で5年一貫の教育を受け、機械工学やプロダクトデザインについて学びました。在学中から地元の制作会社VSQのCGチームでアルバイトを始め、そこでの経験を積んだのち、卒業後は福岡のゲーム会社サイバーコネクトツーに就職。さらに、アルバイト時代の縁をきっかけに再びVSQのCGチームに参加し、本格的にこの業界へ。
(2025年7月1日に公開されたnote記事の再掲になります)

CGクリエイターの仕事とは?

コンピューターグラフィックス(CG)を使って、映像、画像、アニメーションを作る仕事、それがCGクリエイターです。ただ、一言でCGクリエイターといっても、1人で完結するわけではなく実は色々な専門家が協力して一つの作品を作り上げています。例えるなら、映画制作のように、監督、俳優、カメラマンなど、CG制作の中にもそれぞれの役割があります(もちろん1人でやる人もいますが)。

【モデラー】
CGの世界に登場するキャラクターや背景、小物などをゼロから形にするのがモデラーです。粘土をこねて立体物を作るように、コンピューター上でさまざまな形を作り上げます。ゲームの主人公、アニメのロボット、CMに出てくる商品のパッケージ、映画の壮大な宇宙船など、CGで表現されるあらゆる「形」を作ります。

【アニメーター】
モデラーが作った静止したモデルに、動き(アニメーション)をつけるのがアニメーターです。キャラクターが歩いたり、走ったり、表情を変えたり、物が飛んだり落ちたりする、あらゆる動きを作り出します。車のCMで車が滑らかに走る様子、製品の組み立て手順をわかりやすく見せる動きなど、視聴者の目を引く「動き」のすべてを担当します。

【VFXアーティスト(特殊効果)】
映画やドラマなどで、現実では撮影が難しい、または不可能な特殊な視覚効果(Visual Effects)を作り出すのがVFXアーティストです。炎、水、煙、爆発、魔法、巨大なモンスターなど、CGならではの迫力あるシーンを演出します。映画の戦闘シーンでの派手な爆発、災害映画での津波や地震の表現、ファンタジー作品での魔法のエフェクト、テレビ番組の天気予報で使われる雲の動きなど、見た目のインパクトを大きく左右する「特殊効果」を作り出します。

CGクリエーターになった経緯

自分の場合は、実家が造船業を営んでおります。学生時代には、将来的に家業を継ぐことを前提に、機械工学とプロダクトデザインを専攻しました。

元々F1が好きだったことから、卒業後はトヨタ、ホンダ、デンソーといった大手企業への就職を考えていました。ただ、これもいつかは家業に戻るためという両親との話し合いのもとでの進路選択でしたね(笑)

授業の多くはアナログで、ペンで製図をしたり、機械でネジを作成したりしていましたが、初めてPCを使った設計に触れた時に「自由で好きなものが作れる楽しさ」に魅了され、それから、この分野に没頭していきました!

他にも、当時PlayStation2のゲーム映像に刺激を受け「自分でもこんなものを作りたい!」となり、学生でも手が出せる価格だったモデリングソフト「shade3D」で、自分の手で3DCGの制作をスタートしました。作れるようになってくると「それを動かしてみたい」という意欲が湧いてきて、アニメーション制作にも手を広げ、最終的には専門学校に進学し、結果、本格的にこの業界に入ることになりました。

家業のことは、有無を言わせず即就職しちゃいましたんで、まぁ跡継ぎの兄もいたし許された感じですね。

CGクリエイターの仕事の醍醐味

「自分たちが作ったものを観た人が喜んでいる姿を見る瞬間」が、一番嬉しいです。あとは、ややマニアックな話ですが、CGによる新しい表現方法を見つけた時も喜びポイントなんですよね!

たとえばVFXの案件では、素材の重ね方ひとつで全く異なる見え方が生まれます。それを意図して狙う場合もありますが、予期せぬ効果が偶然うまくハマったときは快感ですね。そういった発見があらたな制作へのモチベーションにもつながっていますね!

CMをつくる作業においては、CGクリエーターは、演出家(CM監督)にどう寄り添うかがとても大切だと考えています。演出家にもさまざまなタイプや作風があるので、「合わせる力」や「共感力」が重要な事だと思っています。これは簡単なことではありません。

特にミュージックビデオなど、スケジュールに余裕がない現場では、どんどん進めていかなくてはならないので、より難しさを実感しますね。以前、監督とアーティストのイメージが噛み合わず、最終的に100%やり直しになった案件がありました。そのときは人生で初めて3徹、4徹するほど大変な経験をしました(笑)事前の「共感」の大切さを身に沁みて実感しましたね。こうした状況でも柔軟に対応しながら、相手の意図を汲み取る力が必要です。

仕事の中でワクワクする瞬間は?

大変なことがあったと言いながらも、ミュージックビデオの制作は楽しいですね。我々に任せてもらえる部分が大きく、また、現実離れした表現も取り入れられるので、クリエイター魂が燃えます!

特にVFXを活用した作品づくりには力を入れていて、表現の幅がどんどん広がっていく感覚がとてもワクワクします。

一方で、antsさんと行っているようなCM制作にはまた別の面白さがあると感じています。映像を通して視聴者の「行動につなげること」を意識するのが特徴で、見た人が「これ気になるな!」「買ってみたいな!」と実際に動き出す瞬間を生み出せた時には、また違った喜びがありますね!

↓前川さんがVFX部分を担当された作品【Mrs. GREEN APPLE「クスシキ」】

antsの印象を教えてください

忖度なしに言うと、antsさんとのお仕事は案件がとてもスムーズに進むという印象です。万が一トラブルがあってもそこからの解決までのスピードが早いですし、企画からポスプロ(編集)までがantsさんの中で一貫しているので、手戻りがあったとしてもどこまで作業を戻せばいいのか判断も的確で助かります。また、antsのエディターの山田さんはCGへの理解が深いので、連携もとりやすく、とてもありがたい存在ですね。

ants今西Pと印象に残っている案件だと、リアルタイム合成の企画がありました。アクターの方にモーションスーツを着てもらってキャラクターをリアルタイムで映し出すという撮影だったのですが、自分としては初めて取り入れた技術ということもあり、ドキドキする撮影で思い出深いですね(笑)

CGクリエーターになるには?

CGの勉強として「これだけをやればいい」という特定の技術よりも、いろいろなことに触れることが大切だと思います。そして是非「共感力」を磨いてほしいですね!演出家が何を考えているのかを理解するためにも、さまざまなものに興味を持ってほしい。陶芸でもゲームでも人間観察でもなんでも良いんです(笑)

正直、技術だけでは面白さが出しにくいんですよね。ちなみに、うちの会社は変人が多くて(笑)やはり残っていくのは好奇心旺盛で色々な経験を積んでいる人たちだと感じます。それと、自分の軸を持つことも大切ですね。CGらしさを排除してリアリティを追求する人もいれば、VFXならではの表現を追求する人もいます。どちらも正解なので、どちらを選んでも良い。大事なのは、自分なりのスタンスを持つことですね。

また、CGクリエーターはアーティストではないという意識も大事です。自分よがりの作品を作るのではなく、監督の頭の中にあるイメージをいかに引き出して形にできるか。そこが腕の見せどころでもあると思ってます!!

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